015:『グッドラック―戦闘妖精・雪風』

謎の異星人ジャムの戦闘機と、地球軍の最新鋭偵察機雪風」の戦いを描く物語の続編。
雪風などのAIの成長により、完全無人機の実戦への投入が決定される。そんな中、戦略コンピュータを中心とするAIたちは、命令違反と取れる行動を取り始める。A.I.たちは脆弱な人間抜きで戦争をしようとしているのか?
人間よりも高度なコンピュータが戦闘を行なうのならば、戦争において人間が存在する意味とは?
どちらかと言えば前作の方が好み。イマイチ。

012:『狼と香辛料』

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

豊作をつかさどる狼神の化身の少女ホロと、行商人ロレンスのお話。
ディティールに凝った行商人の日常描写は、個人的に初期の『フォーチュン・クエスト』を思わせる最高の出来。
老獪でありながら可憐な面もみせるヒロイン・ホロもテラモエスwwwwww …もとい、主人公型でも正統派お姫様でもない、独特の存在感を放っている好キャラクター。
読み合い騙しあう商人同士の会話や陰謀もあり、普通ならこっちが軸で進みそうなものなんだが、ホロのキャラクターが印象的すぎてすっかり脇役(良い意味で)。
久々に良いライトノベル。続編も買おう。

013:『されど罪人は竜と踊る Assault』

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

され罪シリーズ。やさぐれる前の、駆け出しの頃のガユスとギギナ、クエロの物語。
大分トーンダウンしてきたかも。短編集とか過去話じゃなくてストーリー前に進めろよー。
結局過去の因縁についても明かされないままだったしな。間つなぎ。

010:『ネット時代の反論術』

ネット時代の反論術 (文春新書)

ネット時代の反論術 (文春新書)

この本に拠れば、「反論」には3種類ある。

  • 議論の結果よりも、自分を頭が良いように見せる事が目的の、「見せかけの論争」
  • 相手を打ち負かす事が目的の「論理詰めのパターン」
  • とにかく相手を貶める事が目的の「人格攻撃するケース」

議論の目的は、必ずしも議論の結果には無い。
観客にアピールする事が目的だっていいし、とにかく相手を攻撃する事を目的とする事もある。
まず、自分が何を目的としているのかを確認し、相手の目的が何かを見据える必要がある。罵倒が好きなだけの相手に真面目に付き合ってたら、無駄に消耗してやってられない。不毛な議論の場合、素早く戦闘を回避したり、あるいは自分のイメージ向上だけを考えたパフォーマンスに走る事も正解だ。
朝生、ブログの炎上、2ch小泉劇場など、具体例や具体的シチュエーションを引きながら、どのスタンスで動くべきかを決める指針を与える。

議論に関する書籍は、「論理詰めのパターン」を絶対とし、「見せかけの論争」「人格攻撃」を論理的でないとして否定するのが普通。この本は、その価値観を否定しているところが面白い。

011:『ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法』

ファシリテーション=議事進行。
議論の流れを左右するのは、司会者ではなく、ホワイトボードに向かっている書記(グラフィッカー)である。効率よく議論内容を整理し、議論を正しい方向に導くためのホワイトボード・テクニック。
色使いや図形の使用法、レイアウトの基本など、実際的なスキルに多くのスペースを割いている。
「漢字は大きくカナは小さく文字は四角く」のような細かなTIPS、ホワイトボードのほかにも模造紙や付箋などの多様なメディアを使う方法、会議だけでなくちょっとしたミーティングやインタビュー/雑談/ノートなどのTPOに合わせた記述法も。
主に紙に模造紙で書く場合、色使いとして黒をメインにするのではなく、茶や緑で地の文を書き、黒はキーワードのみにして黒色の存在感を活かす、というのが目からウロコ。
実例が豊富なので非常に読みやすい。結構お勧め。繰り返し読んで少しずつ定着させていきたい。

009:『恋愛写真―もうひとつの物語』

恋愛写真―もうひとつの物語

恋愛写真―もうひとつの物語

子供のようなとても不思議な女性と僕、憧れの美人の3者を巡る三角関係。とは言っても片思いの話ではなく、悲恋のお話。
不覚にも泣きそうになってしまった。小編だが、感動が凝縮されている。情景描写が上手いのかな。
野暮なケチをつけるとしたら、わざわざ非現実的な設定を持ち出すほどの事か、という位か。それと、ヒロインの心理状態の変化と、主人公の心理の移り変わりが良く分からない。
後から知りましたが、『恋愛写真』という映画とのコラボ作品だそうです。
恋愛寫眞 - Collage of Our Life - [DVD]

恋愛寫眞 - Collage of Our Life - [DVD]

それと、本エントリで紹介した『もうひとつの物語』のほうも映画化され今月末から上映開始とか。こっちも場合によっては観に行くかも。
aishiteru.jp
ああ、恋がしたいなぁ。

008:『脳はなにかと言い訳する』池谷裕二

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックスの筆者によるエッセイ。
2006年のNature掲載論文など、脳科学研究の最前線で分かってきたこころの働きを、非常に分かりやすく、また楽しく解説。
もう、この本は凄すぎる。面白すぎる。途中までは付箋を貼っていたが、全ページに付箋を貼る羽目になりそうになったので諦めた。具体的な内容は後述の「シゴタノ!」さんのエントリなどを参照のこと。同じ科学的事実なのに、直感的に非常に共感できる内容があったり、いっけん直観と反する(でも良く考えると目からウロコ)内容だったり、人のこころについて深く考えさせられたり。脳ってとても面白い。この研究分野を本当に面白いと思って研究されているんだな、と思う。
学習、記憶、モチベーション、会話、すべてに心理、脳は関わってくる。だからこれはある意味では最強のLifehacks本とも言えるかもしれない。
とにかく買え、としか言えない。損をしないことは保障する。

関連エントリ