010:『ネット時代の反論術』

ネット時代の反論術 (文春新書)

ネット時代の反論術 (文春新書)

この本に拠れば、「反論」には3種類ある。

  • 議論の結果よりも、自分を頭が良いように見せる事が目的の、「見せかけの論争」
  • 相手を打ち負かす事が目的の「論理詰めのパターン」
  • とにかく相手を貶める事が目的の「人格攻撃するケース」

議論の目的は、必ずしも議論の結果には無い。
観客にアピールする事が目的だっていいし、とにかく相手を攻撃する事を目的とする事もある。
まず、自分が何を目的としているのかを確認し、相手の目的が何かを見据える必要がある。罵倒が好きなだけの相手に真面目に付き合ってたら、無駄に消耗してやってられない。不毛な議論の場合、素早く戦闘を回避したり、あるいは自分のイメージ向上だけを考えたパフォーマンスに走る事も正解だ。
朝生、ブログの炎上、2ch小泉劇場など、具体例や具体的シチュエーションを引きながら、どのスタンスで動くべきかを決める指針を与える。

議論に関する書籍は、「論理詰めのパターン」を絶対とし、「見せかけの論争」「人格攻撃」を論理的でないとして否定するのが普通。この本は、その価値観を否定しているところが面白い。