007:『学園キノ』

学園キノ (電撃文庫 (1283))

学園キノ (電撃文庫 (1283))

キノの旅』の番外編。
現代を舞台に、女子高生となったキノが銃器を振り回して大暴れ。
テンションが高すぎてついていけなかった。
スク水キノ、という単語に興味を示す人は買いに行けばいいんじゃないかな。

006:『引きこもりマニュアル―惰生活を愉快に営む方法 』

快適で健康的な引きこもり生活を目指し、さまざまな視点からのアドバイスを加える。
たとえば、ごみ置き場に明け方にごみを出しに行けば人と会わずにすむとか、快適な引きこもり生活のために準備しておく物品リストとか。
引きこもろうと思う人にはお勧めしないが、まあネタとしてはなかなか。
不審がられないようにSOHOを装うとか、司法試験や国一受験者とかを装う、など、実際の引きこもりにありそうなネタも。
あんまりお勧めはできない。微妙。

004:『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』黒川伊保子

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書)

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書)

割と有名か。
ことばの「音」と印象の関係を詳細に纏め上げた本。
「ママ」と「まんま」の語源はともにおっぱいに吸い付く幼児の呼吸音、従ってマには包み込むような優しさがある。
マに続き二番目に赤ん坊が発する音は「パ」で、「パパ」「ぱいぱい」などに繋がっている。
シャシュショは喉と口を高速に息が吹き抜ける爽快感のある音で、若い少女に好まれる。
など、言語の境界を越え、人類に普遍的に成立する法則を網羅。
これはちょっと新書レベルを超えている。

関連エントリ

005:『情報デザイン入門―インターネット時代の表現術』

情報デザイン入門―インターネット時代の表現術 (平凡社新書)

情報デザイン入門―インターネット時代の表現術 (平凡社新書)

メディア、インターネットを介した情報交換技術について、かなり新しい例を多数並べた本。
それだけで、内容的にはあまり深掘りがなされていないように感じた。
とはいえ、提示されている例はどれも非常に面白い(まあ、これ系の本にしょっちゅう出てくる例である事も否めないが)。
イデアの種に、あるいは話の種に、読んでみるのも悪くないだろう。

003:『会議が変わる6つの帽子』エドワード・デ・ボーノ

会議が変わる6つの帽子

会議が変わる6つの帽子

ブックオフで購入。
会議の際に、参加者は以下の6つの立場を行き来する

  • 冷静に事実とデータだけを見つめる科学者の「白い帽子」
  • 自分の感情に素直な発言をし、理屈に頼らない、情熱の「赤い帽子」
  • ものごとの良い面だけを見つめる、ポジティブな陽光「黄色い帽子」
  • 危険性に目を向け、常に警戒する「黒い帽子」
  • 水平思考、創造思考で新たな筋道を提示する「緑の帽子」
  • 他の帽子を統制し、会議の流れ自体を見つめる「青い帽子」

これらを「明示的に行ない」、また「それぞれが1つではなく全ての役割を順にこなす」のがこのメソッドの特徴といえる。帽子という比喩を用いる事で、自分の意見について客観的、意識的になり、特定の見方に偏る事を防ぐ事もできる(批判ばっかしてる、とか)。
ただ、最大の特徴は、これらが役割分担、メンバーの方針ではなく、会議自体の方針である、という点だろう。赤い帽子のターンでは、会議の参加者は全員「赤い帽子」の立場に立つ事を強制され、他の立場は原則許されない。みんなでいっせいに特定のベクトルに力を注ぐ事を繰り返す事により、会議を円滑に進める、というのが、このメソッドの最大の趣旨。
本書には、これらの立場の詳細な定義と、豊富な実際の発言例(および、やってはいけない発言例)、実際の会議の流れの概要が掲載されている。
やや古い本なのだろうが、言っている事は普遍的。ただ、「緑の帽子」でいきなり新しい事を言うのを要求されるなど、多少無茶な面がある事も否定できない。どちらかというと、新しい発想というよりは分析、検討などに使うべき方法論なのだろう。
方法論としてかなり突飛なうえ、個人で実践してもご利益が薄い。じゅうぶん活かすには、会議の方法を決める事ができるような立場の人間か、最低でも流れをリードできるリーダー役である必要がある。
厚い本でもないし、買えって程でもないが、中古で見かけたら買うのもいいかも、程度か。

001:『発想する会社!』トム・ケリー

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

豪華な装丁に惹かれて購入。
読んでいるとイノベーションを起こしたくなり、イノベーションを起こせるような気がしてくる本。
ブレインストーミング、オフィス環境、チーム編成、プロトタイプ作成、思考のヒントなどが豊富。
一例をあげるとこんな感じ。良いブレインストーミングの原則は

  1. 焦点を明確にする
    • 狭すぎず広すぎず
  2. 遊び心のあるルール
    • 批判しない、数で勝負etc.
  3. イデアを数える
    • モチベーションが高まる。100アイデア/hも出ればかなり良質
  4. 力を蓄積し、ジャンプする
    • 流れが衰えたときに、発想のアイデアを進行役が提示する
  5. 場所は記憶を呼び覚ます
    • 歩き回ってあちこちにアイデアを書き留める
  6. 精神の筋肉をストレッチする
    • 軽い速い言葉遊びなどで
  7. 身体を使う

抽象論に終始せず、実際のイノベーションに焦点を当て、その背後にある考え方などを示しているので、説得力があり理解しやすい。
今思えば、装丁を豪華にして価格を抑えたのも、効果的に本を売るための戦略なのだろう。
文句ナシにお勧め。

002:『イノベーションの達人』トム・ケリー

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

『発想する会社!』の続編に当たる。
イノベーションを起こす「人」に焦点を当て、イノベーションを起こすための10タイプの人間像を提示する。
邦訳タイトルがイケてない。"the ten face of innovation"はcoolなのに。
前作より章ごとのフォーカスが絞られていて、読みやすい。
10のキャラクターはこんな感じ。

  1. 人類学者
    • 顧客/潜在顧客を観察し、問題点を発見する。また、事前にそれを予測する
  2. 実験者
    • 早期からプロトタイプを何度も作る。失敗を恐れずに大量に
  3. 花粉の運び手
    • 異なった分野の知見やアイデアを持ち込む
  4. ハードル選手
    • 困難な条件を克服する事に喜びを覚える。諦めず解決策を探す
  5. コラボレーター
    • チームをまとめる。敵すらも仲間に引き込む
  6. 監督
    • 配役を行なう、良い目標を提示する、指揮をする
  7. 経験デザイナー
    • 平凡な「経験」を見つけ、それを非凡なものに変える。常識を覆す
  8. 舞台装置家
    • 創造性を生むオフィス空間を設計する
  9. 介護人
    • 「優しさ」を持ち込む。ユーザのことを考える
  10. 語り部
    • 製品にまつわる物語は人をイノベーションへ惹き付ける。ユーザの新たな物語を考える事で、新たな商品を作り出す

10タイプは、誰でもできる「役割」的側面と、個人の特性に依存する「人材」的な側面を両方持つ。誰でも「人類学者」になろうとはできるが、優れた「人類学者」とは、言われずともこのような思考法をする人間だろう。
前作が気に入ったなら買い。こっちだけ読むとちょっとインパクトが薄いかも。