003:『会議が変わる6つの帽子』エドワード・デ・ボーノ

会議が変わる6つの帽子

会議が変わる6つの帽子

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会議の際に、参加者は以下の6つの立場を行き来する

  • 冷静に事実とデータだけを見つめる科学者の「白い帽子」
  • 自分の感情に素直な発言をし、理屈に頼らない、情熱の「赤い帽子」
  • ものごとの良い面だけを見つめる、ポジティブな陽光「黄色い帽子」
  • 危険性に目を向け、常に警戒する「黒い帽子」
  • 水平思考、創造思考で新たな筋道を提示する「緑の帽子」
  • 他の帽子を統制し、会議の流れ自体を見つめる「青い帽子」

これらを「明示的に行ない」、また「それぞれが1つではなく全ての役割を順にこなす」のがこのメソッドの特徴といえる。帽子という比喩を用いる事で、自分の意見について客観的、意識的になり、特定の見方に偏る事を防ぐ事もできる(批判ばっかしてる、とか)。
ただ、最大の特徴は、これらが役割分担、メンバーの方針ではなく、会議自体の方針である、という点だろう。赤い帽子のターンでは、会議の参加者は全員「赤い帽子」の立場に立つ事を強制され、他の立場は原則許されない。みんなでいっせいに特定のベクトルに力を注ぐ事を繰り返す事により、会議を円滑に進める、というのが、このメソッドの最大の趣旨。
本書には、これらの立場の詳細な定義と、豊富な実際の発言例(および、やってはいけない発言例)、実際の会議の流れの概要が掲載されている。
やや古い本なのだろうが、言っている事は普遍的。ただ、「緑の帽子」でいきなり新しい事を言うのを要求されるなど、多少無茶な面がある事も否定できない。どちらかというと、新しい発想というよりは分析、検討などに使うべき方法論なのだろう。
方法論としてかなり突飛なうえ、個人で実践してもご利益が薄い。じゅうぶん活かすには、会議の方法を決める事ができるような立場の人間か、最低でも流れをリードできるリーダー役である必要がある。
厚い本でもないし、買えって程でもないが、中古で見かけたら買うのもいいかも、程度か。