002:『イノベーションの達人』トム・ケリー
- 作者: トムケリー,ジョナサンリットマン,Tom Kelley,Jonathan Littman,鈴木主税
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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イノベーションを起こす「人」に焦点を当て、イノベーションを起こすための10タイプの人間像を提示する。
邦訳タイトルがイケてない。"the ten face of innovation"はcoolなのに。
前作より章ごとのフォーカスが絞られていて、読みやすい。
10のキャラクターはこんな感じ。
- 人類学者
- 顧客/潜在顧客を観察し、問題点を発見する。また、事前にそれを予測する
- 実験者
- 早期からプロトタイプを何度も作る。失敗を恐れずに大量に
- 花粉の運び手
- 異なった分野の知見やアイデアを持ち込む
- ハードル選手
- 困難な条件を克服する事に喜びを覚える。諦めず解決策を探す
- コラボレーター
- チームをまとめる。敵すらも仲間に引き込む
- 監督
- 配役を行なう、良い目標を提示する、指揮をする
- 経験デザイナー
- 平凡な「経験」を見つけ、それを非凡なものに変える。常識を覆す
- 舞台装置家
- 創造性を生むオフィス空間を設計する
- 介護人
- 「優しさ」を持ち込む。ユーザのことを考える
- 語り部
- 製品にまつわる物語は人をイノベーションへ惹き付ける。ユーザの新たな物語を考える事で、新たな商品を作り出す
10タイプは、誰でもできる「役割」的側面と、個人の特性に依存する「人材」的な側面を両方持つ。誰でも「人類学者」になろうとはできるが、優れた「人類学者」とは、言われずともこのような思考法をする人間だろう。
前作が気に入ったなら買い。こっちだけ読むとちょっとインパクトが薄いかも。