002:『イノベーションの達人』トム・ケリー

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

『発想する会社!』の続編に当たる。
イノベーションを起こす「人」に焦点を当て、イノベーションを起こすための10タイプの人間像を提示する。
邦訳タイトルがイケてない。"the ten face of innovation"はcoolなのに。
前作より章ごとのフォーカスが絞られていて、読みやすい。
10のキャラクターはこんな感じ。

  1. 人類学者
    • 顧客/潜在顧客を観察し、問題点を発見する。また、事前にそれを予測する
  2. 実験者
    • 早期からプロトタイプを何度も作る。失敗を恐れずに大量に
  3. 花粉の運び手
    • 異なった分野の知見やアイデアを持ち込む
  4. ハードル選手
    • 困難な条件を克服する事に喜びを覚える。諦めず解決策を探す
  5. コラボレーター
    • チームをまとめる。敵すらも仲間に引き込む
  6. 監督
    • 配役を行なう、良い目標を提示する、指揮をする
  7. 経験デザイナー
    • 平凡な「経験」を見つけ、それを非凡なものに変える。常識を覆す
  8. 舞台装置家
    • 創造性を生むオフィス空間を設計する
  9. 介護人
    • 「優しさ」を持ち込む。ユーザのことを考える
  10. 語り部
    • 製品にまつわる物語は人をイノベーションへ惹き付ける。ユーザの新たな物語を考える事で、新たな商品を作り出す

10タイプは、誰でもできる「役割」的側面と、個人の特性に依存する「人材」的な側面を両方持つ。誰でも「人類学者」になろうとはできるが、優れた「人類学者」とは、言われずともこのような思考法をする人間だろう。
前作が気に入ったなら買い。こっちだけ読むとちょっとインパクトが薄いかも。