コロぱた

コロぱた

コロぱた

某ふたばで噂を聞き購入。最近口コミでじわじわと売れているという噂のゲーム。一言で言うと「ピタゴラスイッチを作って女の子(ひまわり)をゴールに誘導するパズルゲーム」。
各ステージには「ひまわりを特定の場所へ連れて行け」「カゴの中に鉄球を入れろ」のような終了条件がある。で、初期配置されているアイテムや地形(動かせない)と、手持ちのアイテム(自由に設置可能)を組み合わせて条件を満たしていく。
単純なピタゴラスイッチと違うのは、「ひまわり」がボールではなく人間である事。ひまわりには体力と「ご機嫌」が設定されていて、高所から落ちたりバナナの皮で転んだりすると、体力がなくなったり機嫌が悪くなったりする(ケーキなどを食べさせると回復する)。ひまわりはとても気分屋で、機嫌が悪いとケーキやボールを蹴飛ばしたり、体力が低いと歩く速度が落ちたりと、状態によって違った動きをする。
また、鉄球やボール、ドミノ板など、大半のアイテムは物理エンジンによるリアルな挙動をするが、「レーザーのような光線を放つ懐中電灯」や「マンガ的な飛び方をするミサイル」「胡散臭い効果範囲で鉄球などを引きつける磁石」「猫」など、物理的でないアイテムも多く存在する。純粋な物理パズルはバリエーションに限度があり、数pxの配置を延々といじるような地味なものになりがちだが、こういうゲーム的、マンガ的なアイテムによって、パズルがとても面白くなっている。
オートセーブで、かつ1ステージが短いので、ちょっとした時間にやる事ができるのも美点。微調整系は時間を食われるが、閃けば一発で終了、系のステージはサクサク消化できる。
8ステージくらいごとにシナリオパートが入るが、これも良い。よつば(よつばと!)のような元気で明るいひまわりを中心にほのぼのストーリーが入って、ひたすら地味な本編の息抜きになる。
そしてひまわり!バカ可愛いよひまわり!猫がいれば撫でて(機嫌が悪いと蹴飛ばすけど)、チョウチョがいれば追いかけて、びっくり箱があれば飛び上がって逃げて、バナナの皮があればお約束通りにすっ転んでくれる。物理ゲーというのは味気ないものだが、ひまわりがいるおかげで無味乾燥な物理パズルゲームが親しみやすいものになっている。

難点は物理パズルゲームの宿命か、「解き方は自明なのに、それを実現するためにアイテムの配置を細かく微調整する作業」が結構入ること。特に効果範囲の謎な磁石がとてもダルい。ただ、アイテム配置は見えないグリッドにそって行なわれるため、1pxずつズラす必要があるゲームに比べれば、手間はかなりマシになっている。ひとつのアイテムの配置を決めるだけなら、10トライもすればだいたい決まるだろう。システム的にも繰り返し試行はかなりしやすくなっている。
それと、物理パズルにしては、解法の幅がとても狭い。これは好みの分かれるところだろう。「別解」を使えるステージは極めて多いが、あくまで「別解もある」という感じであって、「無限の解き方がある」と言えるほど自由度が大きくない。ただ、この制約によって一般的な意味での「パズル」としての完成度が上がっているのも事実なので難しいところ。

結論としては、普通に根気のあるパズル好きにはオススメ。特に「物理パズル」というジャンルのゲームを知らない人(PCでパズルゲームをしない人は大半が未経験だろう)は、新しい世界を見られると思う。キャラ萌えゲーとしても悪くないが、それだけを目当てにするには時間がかかりすぎるだろう。