リアル脱出ゲーム「廃倉庫からの脱出」行ってきた
2回目のリアル脱出ゲーム。これは完全にハマったね。今回も結論から言うと、脱出は成功。
今回はひとりで行ったのだが、またもや会場でid:kusigahamaと鉢合わせ。多分、同じような条件で公演回を選んでいるからだろう*1。
参加前
私が持っていた全体公開ではない事前情報は、「会場がいくつかに分けられ、平行して進行する」という感じの話*2。あとはtwitterで@realdgameをfollowして情報収集。事前に気づいた事として、初日から脱出者の人数を「○○%くらい」と表現している。全員が同じように脱出成功/失敗するならば、そんな微妙な数字ではなく「○回は成功」みたいな表現をするだろうし、おそらく今回もチーム戦(ないし個人戦)だろうと見当をつけていた。今回は前回よりも1公演あたりの参加者数が多く、人数的にチーム制じゃないと厳しいし。
当日、開始前
1/10 16:30からの公演。
前回同様、入場時に首から下げるタイプのIDカードと、説明文を渡される*3。マークは「ペンギン」。説明文によるとチーム分けを示すもののようだ。この辺は予想通り。ペンギンを探し合流。女性1、男性1+私の3人編成。前回は5-6人*8チームでの分割だったけど、今回はずいぶん細かい。
入室時にチームごとに2つの部屋に分けて通される。ドアが重厚な音を立てて閉じる。テンション上がってきた!そして加藤さんからのルール説明。
- 今回はチーム戦。チームごとに脱出できるかが決まる
- 2つの部屋は「B-1」「B-2」と呼ぶ
- 各チームはそれぞれの部屋を担当する「ペア」になっている
- 例えば、「ペンギン」チームのペアは「火」チームでした。開始後に判明
- B-1の謎のヒントがB-2にあったりする。ペアになったチームは協力しなければならない
- ただし、情報のやり取りは「手紙」を介してのみ可能。直接会話はできない
- 手紙は運営側の人間「郵便配達人」によって行なわれる
- 携帯電話の番号交換とかメール交換とかは「空気嫁」。
- 1つ謎を解く>回答を「判定室」に持ち込む>正解なら新たなヒントが得られる
- 最終目的は、誰も見つけた事の無い「扉」の中にあるものを見つける事
- ちょっとうろ覚え
ゲーム中
謎の詳細は書いても単なる説明になっちゃうのでパス。リアル脱出ゲームの公式サイトで公開すると言っていた気がするのでそちらを参照。
時は流れ、「残り、30秒」のアナウンス。未解決のパズルは残っているが、手元には謎の文字を書いたカード群が集まりつつある。このカードを組み合わせる事で得られる情報で脱出ができるはず(リアル脱出ゲームでは、全てのパズルを解ききらなくても脱出が可能な場合がある。前回は「30点」で脱出に成功したチームもあったそうだ)。そしてカードを並び替えるとどんな文になるかはおおよその見当がついた。が、それが何を意味するのかが分からない!
タイムアップ。「この部屋を、閉鎖します」。照明が落ち真っ暗になる部屋。あー、今回も敗北か。。。「次の部屋に移動してください」ガラガラガラガラ。。。あーはいはい、解説は向こうなのね。移動移動っと…
そこには、床中に張り巡らされた紐、そして張り付けてある謎のカタカナ。「残り時間、10分です」。
ΩΩΩΩΩΩΩΩΩ<な、なんだってー!(参加者一同)
終盤戦
ゲームはまだ終わっていなかった!壁の向こうにいたペアチームの「仲間」と初顔合わせ*4。前の部屋で得た謎のカードと、これまでに使ってきたアイテム、情報を元に最後の謎解きタイム。会場を走り回る人、議論をする人、沈思黙考する人。さまざまなチームがいる中、10分間はあっという間に過ぎる。
謎解きの結果得られる情報は、
- 「最後の扉」の中にはある数字が隠されている
- その数字を提出。正解ならば脱出成功
というもの。
当グループの提出した「最後の扉に隠された数字」は「9」。
- 前提として、今回のゲームは、協賛としてチュンソフトの脱出ゲーム『極限脱出 9時間9人9の扉』がついている
- 『極限脱出 9時間9人9の扉』の最終目的は、「9」と書かれた扉から脱出する、というもの
- このゲームのPVは待合室で流れるわビラは配られるわと、参加者全員に分かる形でアピールされている
- (前回のスポンサーは作品名さえ忘れるようなとても地味な露出しかなかったのに)
- これは、このゲームの存在自体が謎解きに必要な情報、という事だ
- つまり「最後の扉に隠された数字」とは9なんだよ!
という推理。
そして答え合わせ。脱出成功!
ただし、「9」へ行き着く手段は「リアル脱出ゲーム」の範疇で提示されていて、『極限脱出 9時間9人9の扉』はヒントではなかった。つまり、正攻法での脱出ではなかった*5。そんなわけで、あと一歩のところで完全勝利には至らなかったけれど、充実感ある結果でした。
個人的感想
今回の僕は
- 経験者という事もあり、チームをリード。「それは情報足りないんだろう、あとあと!」とか
- 情報足りてるのにスルーした謎もありましたが!
- パズルと見せかけて単なるなぞなぞ、駄洒落だったクイズに正答
- ラジオから聞こえてくる謎の謎解き
- 合流後の「逆さまにして聞け」の謎解き
辺りをできて、個人的にはだいぶ貢献した感があって満足。時間のかかる難しい謎は任せっきりだったけど。
それなりに充足感、達成感があり、勝利こそできたが完全勝利ではなかった、という意味で、今回のゲームはかなり楽しめたし、次回も参加しようと思えた。
楽しい場を提供してくれた恩返しとしての、細かな感想、要望としては(一部はアンケートとかでお伝えしたけど)
- 会場の雰囲気や、大きな演出や展開は満点。特にラスト10分はもう無我夢中だった
- 今回は椅子と机に座って解く謎が多く、そこが微妙。もっと物理的な仕掛けが欲しかった
- カフェパーティでの中継も、動きが少ないために状況が分からなくなってしまう
- 前回の開催は「物理的な謎が多い(手元を見たり話の内容を聞けなくても、どの謎を解いているかがすぐに分かる)」「ドラマティックなシーンがある(演劇型の「イベント」や、脱出成功/失敗が一目瞭然な形で示される瞬間)」という意味で、とても動画中継向きだった
- カフェパーティでの中継も、動きが少ないために状況が分からなくなってしまう
- 殺人の謎だけは正直酷い。容疑者が少なすぎるし、推理根拠が薄弱すぎる
- 「ダジャレはどうなのよ?」って言っちゃったけど、振り返ってみるとああいうのもアリ
- 脱出の達成感が微妙。仕組み上難しいのは分かりきっているが、やっぱり最後はドアから「脱出」する形で締めくくりたかった
- ものが少なかったから仕方ないが、情報が全然隠れていないのはどうなのだろう。ざっと見回すだけで、全てのヒントが発見できてしまう
- 2つの空間に分離するなら、「一方の部屋では自明な条件が、もう一方の部屋では思いもよらない」という叙述トリックっぽい仕組みとかが面白いと思った
- 今回だと例えば、B-2の人はほぼ全員「B-1側には殺人現場があり、そこには男か女が横たわっているのだろう」と当初考えたはず。現実には、B-1には白線だけが残っていて、死体は存在しなかった
- B-2>B-1だと、最初のやり取りでB-2にいる男の服装を伝達したチームは少なかったはず。これ見よがしに置かれた遺留品は当然伝えるが、男の服装や、そもそも座ってるのが女ではなく「男」である事とかは、B-2には自明すぎて伝達対象外になりがち
- もっと「文字として伝達しにくい情報」があっても楽しかった気がする
- 例えば絵とか、アイテムの物理的形状とか、ジェスチャーとか
- でも、推理ゲームの範疇を外れた遊びになっていく気もする
『極限脱出』
最後に、『極限脱出 9時間9人9の扉』との関連だけど、最後の答え以外は「知ってるとニヤッとできる」というレベルのものが多い。偶然の一致があるかもだけど、気づいたのは以下の点(以下、999のネタバレ)。
- 回答をチェックする部屋のドアのデザインがちょっと船室っぽい。『999』の舞台は船
- 今回のリアル脱出ゲームは「ある心理学の実験」だとアナウンスされ、ゲームはふたつの部屋に分けて実施された。これは『999』の9年前のノナリーゲームと同じ
- リアル脱出ゲームでは最後に2つのチームが合流するが、これは『999』でふたつの扉に分かれて入ったメンバーが、後で合流するのと一緒
昨日書いたゲームのレビューはこちら。極限脱出 9時間9人9の扉 - いま作ってます。
関連リンク
- リアル脱出ゲーム「廃校脱出シリーズ3〜終わらない学級会からの脱出〜」 - OTOTOY 公式サイト
- http://realdgame.jp/feature/index.php/answer 正解発表。
- 私の回はaはバージョン2。Cはバージョン3でした。
- 他の方のプレイレポート
- 『東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出』に参加してきた | | イノミス 私の回とは若干結末が異なる(初期のシナリオのようだ)。
- 【リアル脱出ゲーム】廃倉庫からの脱出 | 三月の文化的ロリィタのススメ
- http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20100113/1263345728
- http://d.hatena.ne.jp/morikubo/20100113 上面図つきで分かりやすい!
- 『東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出』参加レポート | 夜弁当 他のチームと協力した方。協力プレイは、仕掛人の加藤さん曰く「プライドの問題」です。
- 2010-01-13
- 「東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出」に参加してみた - 「Loser’s Parade」
- このサイトの過去エントリ
- リアル脱出ゲームの作り方を聞いてきた - いま作ってます。 先月あった、製作者による公演。
- リアル脱出ゲーム3「終わらない学級会からの脱出」行ってきた - いま作ってます。 前回のレポート
*1:ちなみに一緒に行かなかったのは意図的。知り合いと一緒に参加して楽しむのもひとつの楽しみ方だと思うけれど、初めて会った知らない人と協力して謎を解くのがこのゲームの基本だと思っている。仕掛人であるSCRAPの加藤さんも同じような好みのようで、知り合い同士で行っても、そもそも会場で別チームにバラされてしまう。友達同士で協力してやりたい、という考え方にも共感できるけど、せっかく「異世界」に突っ込まれるのだから、その辺をリセットして楽しむのが本道じゃないかなぁ、と。一緒に参加できるイベントは他にも沢山あるし
*2:以前書いた「脱出ゲームの作り方」の席で、「J=キャロル」さんが故意か過失か漏らしていた
*3:この説明文には、事前情報には含まれない情報も含まれるので、参加する場合は必ず目を通すべき
*4:知人がいたりする事もあり、厳密には初ではなかったりする事もあるが
*5:尤も、「9」になったのは『極限脱出 9時間9人9の扉』がスポンサーだからそこに関連づけたのであり、あながち的外れな推理とも言えない。後に加藤さん曰く、「答えが数字で、スポンサーに9がキーワードのゲームがついてるから9、というメタ推理をしようが、正攻法で謎を解こうが、同じく正解である」との事。リアル脱出ゲームではルールの範囲内ならばあらゆる手段が許容される、という事だろう