極限脱出 9時間9人9の扉

極限脱出 9時間9人9の扉

極限脱出 9時間9人9の扉

神ゲー伊集院光も 絶賛!
謎解きのあるノベルゲームか、もしくは「脱出ゲーム」が好きなら是が非でも買うべし。

※以下レビュー。楽しみを阻害するようなネタバレは含んでいないつもりです。

ゲームは画面をクリックして謎を解いていく「脱出パート」と、幕間のノベルパートに分かれている。脱出パートの途中でノベルが挟まる事もある。脱出パートの解は1部屋に1通りだけど、ノベルパートの選択などでシナリオが分岐し、複数周回しないと真エンドにたどり着けないタイプのゲーム。

脱出パートだけど、完成度が高い。ブラウザでやる脱出ゲームって

  • クリック判定が狭すぎだったり、クリック判定の所在が不明だったり
  • できる事とできない事がよく分からなかったり
  • 謎が隠されている場所があまりにも見つけづらかったり
  • 行動と結果の因果関係が物理的に滅茶苦茶で「あれをするにはこれをしなければいけない」という対応関係を推理に使えなかったり
  • ヒント少なすぎでカンが必要だったり

して、謎解きと関係ない場所で理不尽なストレスがたまりがちだけど、それが極めて少ない。きちんと考えて、怪しいところを一通り調べて、常識的な行動をすればちゃんと謎が解ける。なので、こういう下らないストレスに悩まされる事なく、謎に集中できる。

ノベルパートだけど、正直当初はおまけだと思ってた。凄い。脱出ゲーム抜きで、ノベル部分だけでもボリュームを膨らませればひとつのゲームとして成立するクオリティ。流石は『街』『428』『かまいたちの夜』のチュンソフト。伏線の張り方もミスリーディングも巧みだし、盛り上げ方も絶妙。テンポもその辺のエロゲーみたいに無駄なテキストを増やしたりせず、サクサク進められる。ノベルで気に食わなかったのは、エンディングで意味不明な次回への伏線を張っていった事。こういうの、セコいから止めてほしいものだ。次回作が出なかった場合に最高にダサいし。あと、ノベルパートの謎解きが勝手に進んだ感があって、ちょっと欲求不満。『かまいたちの夜』のように自由文を入力させろとは言わないが、『逆転裁判』の裁判パートみたいな「自分で謎を解いてる感」が欲しかった。

主な不満はシステム面。セーブが一カ所なのは仕様だろうけど、周回プレイ前提なのに、既読テキストのスキップ機能はないし、全く同じ脱出パートを複数回解かなければいけない。「脱出パート内のノベルパートで分岐する事もあるから、脱出パートを丸ごとスキップさせるわけにはいかなかった」という事情は分かるけど、その辺もう少しなんとかならなかったのかと思わざるを得ない。まあ、パズルの解法とかを丸ごとメモる事でだいぶ周回プレイ時間を短縮できるけど、それならそれでゲーム内にユーザーがメモを残せるようにしても良かったと思う。あと、ルート同士が交差していたりして、周回ルート管理もしにくい。それでも、『逆転裁判』とかよりは遥かに快適だけど(まあ、周回プレイを想定していない逆転裁判と比べるのも無い話だけど)。

総評としては、買い。些末なシステム面の不満はあるが、余裕で許容できる範囲だし、それを補ってあまりある魅力がある。

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公式サイト:極限脱出 9時間9人9の扉