はてなブックマークをおかしいという人がいる件

caramel*vanilla: はてなブックマークがどっかおかしい件
http://caramel-tea.com/2005/12/27/post_743.php
へのDISりを中心に。DISるのをメインに据えるのは久々か。
まず言いたいのは、はてなブックマークの何か(システム、ユーザ層etc.)を否定するのならいいが、はてなブックマーク自体を否定しても生産的じゃないよ、と。それって人格攻撃と同じですから。

自分への言論を把握する術はネットにもリアルにも存在しない

ネガティブなコメントをされたくないというのではなくむしろ意見や批判は望むところです。
ただ自分の窺い知れないところでそんなコメントが公開されるのは勘弁願いたいのです

コメントは執筆者から見やすくて、ブクマコメントは見づらいのは事実だけど、ブクマコメントは「見づらいけど手軽な批判」に過ぎないと思います。もっと見づらい場所から批判される可能性見えない所で陰口を叩かれる可能性はいつでも存在するんじゃないでしょうか。
例えば2chにttp://から始まるURLを張られて叩かれて、しかも「突撃」が来なかった場合、本人はアクセス数の増加という形でしかそれを認識できず、どこかで話題にされた、としか感じられないはずです。アクセス解析を入れてなかったら、全くの盲目ですね。例えば、このblogみたいにはてなの無料オプションの場合は、リファラ送ってこないアクセス数を認識できないから、仮に2chで話題にされたとしても気づかないでしょう。
あるいはSNSで話題にされた場合なんかは、リファラ送信されてもどんな話されてるのか分かりません。狭いコミュニティ内で仕切りの向こうでヒソヒソ話されてる、みたいな感じですね。ヒソヒソ話す方は物凄く安全、と(あー、SNSが安全なネットワークってそういう意味なのか、いま気づいたよ)。
本人の目に止まらぬ所で攻撃される、なんてのは別にネットの暗黒面でも何でもなくて、教室の片隅とか放課後の帰宅中とかオフィスの給湯室とか喫煙所で日常的に行われてる事なわけです。多くの人に伝わる手段で攻撃すれば本人に知られる可能性が高い、というのも同じ。唯一の差はネットではデフォルトの声の大きさが全世界ブロードキャストである点ですが。

面と向かってうんこ投げる奴なんているわけが無い

前段の最後で匂わせましたが、(批評ではなく)批判が目にとまり辛い所でなされるのは世の常です。
面と向かって相手を攻撃しようなんて人は、日本社会では特異な人種です。ネット、特にblog界隈にはそういう人が結構な数存在するんで勘違いしがちですが。モヒカン族とか呼ぶのかな。
全世界に「正々堂々」を期待するような幻想はとっとと捨てるべきです。

読んで欲しいものと読まれるものは違う

そこには自分の意見や伝えたい事、読んで欲しいという想いはあまりないわけです。
(だったらそんなものあげるなといわれたらそれまでですが…)

自分が読んで欲しいと思う記事と、他人に読まれる記事は違います。
自分がその記事を通して読み取って欲しかった内容と、実際に読み取られる内容ですら食い違います。
http://d.hatena.ne.jp/comnnocom/20051227/violent_tagging
あたりにもTB送信っと。

はてブに限っては被ブクマ数=有益さ或いは面白さとは関係ないなと強く感じました。

読んでいる人の数とアクセス数は一致しません。
それらのどちらも、その記事を面白いと思ってくれた人の人数とも一致しません。
そして、それらの全てがはてなブックマーク数と一致しません。
当然、MM/Memoにもdel.icio.usにもTB数にもコメント数にも一致しません。
本当に知りたいデータを直接測定できないときは、それに似た傾向を示すデータを測定するのが基本です。そのギャップに対する補正をするのもまた基本です。

はてなブックマークIEの「お気に入り」は無関係である

先にあげたようにブックマークって本来はそのページを再度訪れやすくするものだと思うんですけど、はてブの場合コメントをつけたいがためにブクマする傾向が少なからずあるような気がします。

その通りです。はてなブックマークとはそういうシステムです。
コメントを付けたくなるエントリ、というのを抽出できるというのは、何らかの意味で有益なシステムだと思うんですが。
むしろ、全ブクマ中の、コメントがついてるブックマークの割合をなんとかして利用できないかなあ、と思う。

タグ付けのゆらぎ

タグ付けのゆらぎについては別エントリで触れますので、このエントリ特有の問題点だけ。
まず、同意別表現の数が違いすぎるので、日本語と和製英語混在のはてブと英語オンリーのdel.icio.osを比較するのは筋違いです。
加えて、del.icio.usでタグのゆらぎが少ないのは、(少なくとも日本人にとっての)英語語彙の少なさによるところも大きいです。「まとめサイト」「あとで読む」に当たる英語、と言われてすぐに浮かびますか?直感的に使える、という意味では(日本人には)母語である日本語のタグの方が優れています。
頭の悪いタグについては、2chを中心として形成されたという日本のネット文化の特異性にむしろ強く関わっている気がするのがひとつ。要は、どこが運営しても日本のネットユーザがユーザならば同じ状態になる、と。旧slashdotのようなハードコアなコミュニティのSBSなら真面目なタグが使用される可能性もあるでしょうが。
加えて、お馬鹿なタグをつけるのがNGだと言うのなら、そのユーザをピンポイントで批判すべきであり、はてブ全体をおかしいというのはお門違いです。
最後に、28 [user] - 9[tags]と277-64という結果はそんなに見劣りするものなんでしょうか?他の例を引くのも面倒なんですが、微妙な気がします。