自分のblogへの言及内容を制御する権利は無い

はてブのコメントで批判するのは別に良い。だが「何故ダメか」が書かれていないことが否定的なコメントを書かれた側からすれば厄介だと思う。ただでさえはてブはリアクションしづらいのにそれだとリアクションのしようがない。理由を提示しない批判は罵倒と取られることもあるだろう。
(中略)
どうせ同じようにネガティヴな言及をされるとイライラする*のならリアクションしにくいはてブでより自分のblogのコメント欄に書いてもらった方が遥かにマシだ。

ブログ主としては、自分の書いた事に対して何かコメントが書かれた場合(ネガティブに限らず)、それに対して何かリアクションを取りたいと思うが、はてブだとそれがし辛いという事があるし。

はじめに

以下、「コメント」というのは、blogのコメント欄になされるコメントやブクマコメントを含む、特定サイトに対する言説一般を指すものとする。

以下の論旨

自サイトに対するコメントに対し、削除する権利とか目を通す権利を夢想する事自体が間違い。
コメントは本来的にコメンテーターの物であり、サイト運営者の物ではない。
コメント欄の内容に対しサイト運営者は削除権=公開可否決定権を持つため、サイト運営者はコメント欄の内容を確認し、公開の可否を決定する責任を持つ。
コメント欄というのは、コメントに対する権利の一部をサイト運営者に委譲し、自分のコメントを当該サイトのコンテンツの一部とする仕組みである。
ブクマコメントとは、以上のような権利委譲の過程を踏まずにコメントを行なう手段である。
コメントとして一般的なのはむしろブクマコメントのような形態であり、特殊なのはコメント欄という仕組みの方である。

はじめに:ブクマコメントの特質

ブックマークコメントは、

  • 自分勝手に、時には無根拠に
  • サイト運営者に知られない可能性を保ちつつ
  • 公開の可否の権利をサイト運営者に委譲しない形で

行う事が出来る。ブクマコメントへの批判は、その殆どがこの3点のいずれかの性質を批判する、あるいは誤解したものである(と思う)。
これらは何かに対するコメントに保証されるべきものとして至極妥当な権利である、と私は考える。コメント欄との比較を元にした議論を良く見るが、そもそもコメント欄はコメントの中でも非常に特殊な形態でなされるものである。どう特殊かは次段以降に述べる。

コメント欄を使用する際の無言の前提

コメント欄に書く場合、そのコメントの削除権は運営側にあるため、そこに言論の自由は無い。運営者が自分に都合の良いコメントやTBだけを残して削除する、というのは良く聞く話ですらある。
したがって、サイトのコメント欄に書き込みをするという行為は、コメンテーターが対象サイトに対し賛同する場合か、あるいは否定的コメントを述べても削除されないであろうといった一定の信頼を置いた場合に初めてなされる行為である、と言える。
別の観点から見よう。自サイトのコメント欄に書き込みをされた場合、上記のようにその削除権はサイト運営者にも存在する。したがって、コメント欄の内容をサイト運営者が削除しない場合、暗黙のうちにサイト運営者はそのコメント欄の内容が自サイトのコンテンツとして公開されることを容認した事となる。
要約すると、コメント欄に対する書き込みとは、コメント公開の可否に関する権利をサイト運営者に与える代わりに、コメンテーターのコメント内容をそのサイトのコンテンツの一部とする行為である。そして権利を与える前提として、自コメントに対し節度あるふるまいをする事をサイト運営者に期待する、という信頼関係を必要とする。

自サイトへのコメントに目を通す権利/義務

自サイトに対する全コメントに目を通す権利は一般に保証されない。そんな保証が存在するコメント欄が特殊なのである。
サイト運営者として、自分へのブクマコメントは全て読みたい、というのは同意するが、それが当然あるべき権利と考えるのは筋違いである。
同時にコメンテーターも、ブクマコメントに対し反応がある事を期待してはいけない。まあそんな期待をしてる奴はいないと思うが。

ではブクマコメントとは

上記2段のような権利義務の関係でブクマコメントを表現すると、以下のようになる。
ブクマコメントとは、サイト運営者とコメンテーターとの間で一切の権利義務のやり取りが生じない形態のコメントである。
どうでもいい部分を端折るとこうなる。
ブクマコメントとはごく一般的なコメントの形態である。
繰り返すが、特殊で異常なのはコメント欄の方である。

追記:コメントに目を通す権利関係

ごちゃごちゃしたのでちょい整理。
コメンテーターは見られにくい場所にコメントする権利がある(ただし、そこがいつまでも「見られにくい場所」である保証は無い)。また、コメントを不特定多数に公開する場合、当然コメントを見られないようにする権利は無い。
サイト運営者は自サイトへのコメントを見る権利を保証されないが、自分で探して見る権利は当然保持している。
SBS提供者(はてな)はブクマコメントについて、サイト運営者に分かりやすい形で提示する権利もあるし、現状維持でサイト運営者から分かりにくい場所に維持する権利もある。