014:『ソロモンの指環』コンラート・ローレンツ

ISBN:4152030844

旧約聖書の述べるところにしたがえば、ソロモン王はけものや鳥や魚や地を這うものど
もと語ったという。そんなことは私にだってできる。

ある種の鳥が、卵から孵化した直後に見たものを親だと思ってしまう、いわゆる「刷り込み」を発見したおじさん。
カラスやカモと本当に「会話」ができるところが凄い。本書に拠ると、動物の方からの発話は気持ちの伴わない反射的なものらしいですが。
この人の手にかかると、どんな動物も活き活きとしてけなげで可愛く、知的に興味深く思える。あー、コクマルガラス萌え。
本当に残虐なのはライオンやオオカミではなく、ハトやシカである、とか、知らず知らずのうちに持っていた動物への偏見を戒めてくれます。