件名の無いメールと、内容注記の無いYouTubeリンク

を読んで考えた。
携帯メールでは件名は不要。だが、受け手に配慮する思考が欠けている人は実際増えている。ケータイ文化圏に限らず、2ch文化圏や「はてな」でも。

件名は内容=優先度を示す?

メールの件名には、そのメールを今すぐ読むべきか、後回しで良いのか、ごみ箱直行で良いのか、その判断材料を読み手に与える、という重大な役割がある。件名でそれが判断できれば、本文を読む前にサクサクと整理したり削除したりできるわけで。だからこそ、PCメール文化圏では「件名の無いeメールを出す奴は地獄に落ちろ!」と言われるわけだ。タイトルが無いメールが届いた場合、緊急で重大な用件が書いてあるかもしれないから、本文を読まざるを得ない。受け手側に選択の余地は無いわけで、送信者としてはかなり傲慢な態度を取っている、と言える。件名なし=とやかく言わずに今すぐ読みやがれ!って事だから。
しかし、やりとりする人同士が知り合いだとまた少し違ってくる。友達同士の雑談ならば、内容を問わずとりあえず聞いてやるのが友達ってものだ。だから、タイトル=内容は分からなくても、誰からのメールかさえ分かれば、メールを読むべきかどうかは判断できる。従って、主に雑談に使われる携帯メールには、件名は不要という事になる。
携帯メール以外だと、mixiなんかの日記もそうだ。あれも「誰の日記か」が重要であって、日記のタイトル・内容はどうでも良い、というタイプの使い方をされている。だから、タイトルが適当な人が多いし、それで十分コミュニケーションが成立する。

リンク先の内容も説明しない

で、この「件名の無いeメール」で思い出したのが、内容を書かないリンク。例えば

これ超面白い!
http://www.youtube.com/watch?v=esivn_GNH9g

とか。ブログとか掲示板で特によく見かける。
これも、開いてみるまでは内容がさっぱり分からない、という意味で件名の無いeメールに共通したものがある。eメールには件名を書くって人でも、結構こういう風に書くんじゃないかと思う。だから、別に受け手に配慮しないのはケータイ文化圏に限った話ではない。
勿論、タイトルが先にバレちゃったらつまらない場合とかはこういう書き方になるのも仕方ないし、リンク張る度にいちいち説明してたらやり取りのテンポが悪くなる、というのも理解できる。場合によってはこういう書き方の方が良い場合もあるだろう。
そうは思うんだが、そこら中でこういうリンクの張り方がされまくっているのを見ると、受け手の都合を軽視しすぎの、自分勝手な人が増えてるんじゃないか?と感じなくはない。「こういう書き方をする人って、コレに対して苛立った事は無いのだろうか?」と常々疑問に思っているのだが…

結論

内容を問わずとりあえず聞いてもらえるようなヌルいコミュニケーションに慣れた人間が、友達以外にも同じ前提でコミュニケーションしてしまう、という傾向。この傾向はメールのやり取りだけでなく、ブログなどでのURLの紹介などにも顕れる。
仕事で初めてメールに触れたオッサン世代と違い、今の若者は友達と携帯メールをやり取りするところから入っている。メールの使用がより身近で日常的なものだからこそ、問い合わせなどでメールを使うときにもつい友達モードで送ってしまうのでは、と考えられる。
話を聞いてもらうまでの段階で苦労した経験が多々あるであろう現役社会人が、このような姿勢を「甘えてる」と評価するのは分からなくも無い。一方で、「若者は甘えすぎ!」というのは遥か昔から洋の東西を問わず言われてる事のような気もするので、時代の問題なのかは微妙なところ。
オヤジやオバハンにも同様の傾向がある?オヤジやオバハンは果てしなく自己中心的なバカばっかりだし仕方ないんじゃない?ジコチューは世代を問わず増えている、という話もよく聞くし。

書かなかったこと

以下、主題がボケるので割愛した話。
携帯メールに件名を書かないのには、届いたら内容が何だろうと即チェック、という使い方をされる携帯電話の特性なんかも影響してると思う。が、本文中でも書いたように、タイトル割愛はmixiとかでも見られる傾向なので、この辺の話はとりあえず除外した。
「タイトルで内容が判断できるようにすべきか?」という話を突き詰めて考えると、ブログの作法論みたいに「じゃあ先頭のほうに要約をつけておくべきだよね?」みたいな話になっていって際限がなさそうなので、とりあえず「そうあるべき」という事にして打ち切った。
メール1本で情報を全て伝達すべき、と考えるのはやや古い考えかも。今の若者にとってメールは文書/手紙ではなく口語に近いものなのかもしれない。だから、会話において言葉をやり取りするみたいに、何回かメールをやり取りして用件が伝わればオッケーであって、一通のメールで全部を伝達する気は最初から無いのかもしれない。